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伊藤彰 選手
生年月日 1972/09/19
身長/体重 176/66
ポジション MF
経歴 武南高-国士舘大-川崎フロンターレ-大宮アルディージャ-サガン鳥栖
― 指導者資格を取ろうと思った動機を教えてください。

最初にC級を受けにいった時は、違う観点からサッカーを見るという好奇心からでした。C級を取ってみて、「これは自分のプレーにも活きてくるぞ」と思って、B級に興味を持ったんですね。実際に行ってみると、いろいろな指導者、いろいろな指導方法があることがわかって、それがたぶん自分の今のプレーにも反映されていると思います。C級を受けている時に「こういうのも面白いな」と興味を持ったことが一番大きかったんですが、その後から「こういう指導をしていったら選手は伸びるんじゃないか」とか考えるようになるんですよね。

― C級の講習自体が納得のいくものだったからでしょうか。

C級を取った時期が結構早かったので、その時に一緒だった中山さんや、同じグループだった井原さんがまだ現役をしていた頃だったんですが、それがすごく刺激になったというか。高木さんや北澤さん、藤田さんもいて。ものすごく刺激が強かったんです。その後B級をとりに行ったときも澤登さんとかいっしょにやらせてもらって、すごくプレーの勉強にもなりましたし、勉強するところが多かったので。

― 講習会で難しく感じたことはありますか。

やはり個々の性格とか集中力の持続性とかいろいろ違いますので、それを全員こっちに向けるというのがすごく難しいかな。全員が集中力を保てる時間を作る、空間を作るということがすごく難しいなと感じましたね。

― 資格を取ってみて、プレー上で役に立ったことはありますか。

僕も今はチームの中でベテランに位置づけられていますけど、ベテランの立場として選手と選手のコミュニケーションを円滑にする方法が役に立っています。やはり若手が伸びていかなければチームも強くなれないし、チームがひとつになるためにはどうやっていけばいいのかを、監督からの視点ではなく選手としての視点からチームをまとめるという意味で役に立っていると思います。若手に対して厳しく言う時と、コーチと選手のパイプ役をする時を円滑に出来るようになったというか。自分も昔は性格的に荒くて・・・というのもあったので、やっぱりそういう中で監督の考えも自分で受け止めて、若手たちが疑問に思っているところを「こういうような考えで全体的にはこうやっていきたいけど、お前にはここが足りないんだよ」と言えるようになりました。それでその選手が聴く耳を持ってくれて成長してくれればレギュラーになっていくだろうし、個人のプレーも良くなって戦術もどんどん良くなっていくと思うので、そういう面ではすごくよかったと思います。

― 資格を取ってみて、日々の練習で気づいたことはありますか?

ちょっと難しいですね。本当の指導者という立場より、まだプレーヤーとしての視点で物事を見ていることが多いので。全員が共通理解をもつというところに関しては、B級のときにすごく出来るようになったかなとは思いますけどね。

― どのレベルの指導者を目指していますか?

僕個人としては現役引退したすぐはトップに残りたいなというのがすごく感じているところです。徳島ヴォルティスというチームはまだまだプロになって2年目という若いチームなので、できればプロとしての経験を植えつけていければなと思いますし、それは逆に言ったら長い歴史を持っているジュビロとかそういうチームであれば、また違った考えだと思うんですが、今の時点では出来ればすぐにアシスタントコーチとかで若手の育成というか、こいつは上手くなったからレギュラー争いいけるよっていうような選手を作って行きたいなっていう気持ちですね。(B級を足がかりとしてS級を目指す考えですか)そうですね。S級をとったら別に下のカテゴリーでもかまわないと思いますし、それは自分の経験を積んでいくという部分ではいい方法だと思います。父が少年サッカーを教えているので、そういう意味では小さい頃から少年サッカーを教えるということは何気に触れたりしているから、ある程度出来るかなと感じているので。だから出来れば上のカテゴリーで自分の力を試してみたいという気持ちはありますね。

― 理想の指導者像を教えてください。

理想なのは、選手全員から信頼されて、出場機会がない選手からも信頼されるような、そういう監督ですよね。そういう人間になっていきたいと思いますし、細かいところにも目が届くような指導者になりたいと思います。難しいとは思います。毎日毎日レギュラー組だけではなく、全員と接していかなければならないですし。線引きというのは必要だとは思いますけど、なあなあになるのではなくて、全員とコミュニケーションを取っていかないとチームとしてまとまらないですからね。今J2というカテゴリーでは、チーム一丸となって全員が戦力となって戦っていくことがすごく必要となっていますので。J1になると外人がいて、いい選手がいてまたちょっと違った意味での若手の育成が必要になってくるんでしょうけど、今のJ2のカテゴリーだと若手も戦力になってこないと勝てないですから、そういうところに目が届く指導者になりたいと思います。

― 自分にとって指導者への道とは?

楽しみであり、険しくもあります。基本的には今の年齢からしたら楽しみになってきたかなというところはあります。指導者という土壌に入るためには、大勢の人たちがいますから、年々厳しくなっていくのかなというのはあります。やはり求められて入らなければいけませんし、そのハードルは高いですけどやりがいはあると思います。

【取材・構成】 SHAPE 豊田 英夫