― チームの雰囲気はどうでしたか?
すごく良かったんですよ。最初に出たのはイングランド戦だったんだけど、その試合に出て、ようやく溶け込めるようになって。帰りのバスなんかでも、かなり盛り上がっていたし。「どうする? まだ帰れないよ!」って。
― ピーター・クラウチが出たイングランド戦ですね?
交代で2mくらいのでっかいのが出てきて。それなのに、ヘディングは全然勝てないし。大きいだけで、たいしたことはなかったですね。イングランドは強いという印象を受けませんでした。
― 曽ケ端選手がスタンドで見ていて「日本のレベルは高くて、もっと上まで行くんじゃないか」と思ったって話していました。
中盤のレベルがすごく高かったし、守備も体格で劣る分、トルシエのフラットスリーをうまく使って。みんな若かったから吸収しようとするじゃないですか。だから合っていたんですよね。
― ナイジェリアの地元の人たちも盛り上がっていましたよね。
特にドリブルや見せるプレーが盛り上がるんですよ。だから、モトがボールを持つとうわーって。伸二のダイレクトパスやシュートにも。グラウンドに入ってきたりして、ちょっと怖かったですけど、結構、評価は高かったんじゃないですか。
― 小笠原選手も「モトは盛り上がっていたけど、僕はダメでした」って話していました。
堅実なプレーだからね。でも、満男はミニゲームとかボール回しとかやったらすごいですけどね。すごい技をバンバン出してくるから。僕はついていくのに必死だった。対戦チームじゃなくて、日本がすごいって思っていましたからね。
― 永井選手も必死だったって言っていました。
永井は点が取れていなくて、試合前も相当ナーバスになっていたんですよね。大丈夫だよって励ました記憶がある。でも、準決勝で永井は切り返していいゴールを決めて、すごく喜んで。僕らも本当に嬉しかった。このチームには変なことを言うヤツはいなかったんですよ。何で出られないのかとも言わなかったし、出たらなにかしてやろうと思っていたし。同室の播戸と「どっちが先に出るかな」なんて話をしていて。とにかくいいチームでしたよ。パッと集まってもいいサッカーが出来てしまうような。
― トルシエ監督はどうでしたか?
髪が長かったので、タカダー、お前は女かー! ってよく怒られていました。(笑)身体を思い切りぶつけてきたり、「ほら、今がチャンスだ!」って煽ったりするんですよね。でも、今考えると、あれも演出なのかなって思います。
― 散歩をしていてテニス場で突然練習が始まっちゃったんですよね。
そうそう。よーし、ここで始めるぞーって言いながら、秘策のようなものを突然出し始めて。フリーキックの時にラインを上げる練習を始めて。ヒラメキ系なんですかね? 仕舞いには「水がないぞー!」ってキレちゃって。ないですよね、散歩なんだから。(笑)
― トルシエ監督からどんなことを得た?
こういう人もいるんだなって。(笑)それよりも一緒にやった仲間からの刺激がすごかったですね。上手いなあって。いいのかな、俺、ここにいて…って気持ちも強かった。
― あのチームでもう一度やりたい?
やりたいですねえ。
― 2009年に10年後のナイジェリア・ベイビーズとかね。
けっこうみんな年取ったからね。トルシエの言うことは聞かないだろうね。(笑)はいはいはいって。そう言えば、俺、サミアともやったからね。湘南で。
― 対戦チームにそれぞれ今はビッグネームになった選手がいますが、世界との距離を感じたましたか?
僕は決勝のスペイン戦の残り20分くらいに出させてもらったんです。すでに3-0か4-0で試合は決まっていたんですけど、その時のスペインのパス回しがすごくて。とにかく速くて、取れないんですよ。でも、スペインの選手はみんな速いボールをピタッと止めるし。フィジカルも全部負けていた。これが世界なんだなって痛感しましたね。あとは日本の選手がみんな上手かったから、そっちの方が意識しましたね。すごいなあって。だから、練習が楽しかったですよ。みんなザスパに来てくれないかなあ?(笑)
― アフリカでどんなことを得られましたか?
環境が一番大きなものですね。ああいうところで生活をして、サッカーをして来たということかな。それが今のザスパでも生きていると思います。だからある程度大変でも大丈夫ですよね。環境はもちろん大事なんだけど、どんな環境でもグラウンドに出たらやらなければいけないということだと思います。
― ありがとうございました。
1979/02/22生 身長:176cm 体重:68kg ポジション:FW