J開幕当初のように、常に満員のスタジアムでプレーすることは全選手の希望でもあり、サッカー界が望んでいる理想の姿でもある。そこで、そんな理想に近づけるための「サッカー人気向上案」を、全チームに訪問して選手側からの視点で自由に語ってもらった。どんなアイディアが出るのか、ご期待ください。
― サッカーの人気を上げていくためには、どんなことが必要になるでしょうか。
堀之内 これは基本だと思いますが、地域に根ざすということだと思っています。地域の方々に対してサッカーの普及活動に力を入れていくことがとても重要なんですよね。家族が連れ立ってスタジアムに来てくれれば、観衆数もそれだけ増えますからね。
細貝 俺、言うことなくなっちゃいますよ!(笑)
― 他のチームの選手たちは「レッズがなぜ人気があるのか」をとても聞きたがっています。
堀之内 元々、浦和はサッカーの街なんですよね。
細貝 昔からサッカー人口が多かったんですよね?
堀之内 そう。それにJ2に落ちてもみんながスタジアムに来てくれたことも大きいし。元から浦和にはサッカーが根付いていたと言ってしまえば、それまでなんですけどね。
― 堀之内選手が子どもの頃も盛んでしたか?
堀之内 すごく盛んでした。
細貝 俺は群馬出身なんですけど、群馬にも浦和のファンは多かったです。
堀之内 Jリーグが始まった当初は、どこのホームゲームも満席で、チケットが取れない状況が続いていたじゃないですか。その後、ブームみたいなものが去って、離れていく人たちが出て。一時の流行のようなものになってしまった感もありますよね。でも、浦和の場合は、ブームという感じがありませんでした。元々、僕らが小さな頃からサッカーが盛んだったし、そういう地盤というかアドバンテージはあるのかなと思います。人気があがるには、それなりに時間がかかるということでしょうか。やっぱり、1年、2年でいきなり盛り上がるのは難しい話ですよね。
― 先ほど話していた、普及活動が大切、という意味ですね。
堀之内 結果が出るのは10年くらい後になるかも知れませんが、普及活動は重要だと思います。海外からビッグスターを呼んでくるというやり方もあるだろうけど、その選手が移籍してしまったり、活躍しなかったら終わりです。仮に短期間でうまく出来たとしても、その分の落差があるはずです。だから時間はかかるけど地道なやり方が一番じゃないでしょうか。
細貝 サッカースクールなどで小さな子どもたちにサッカーの楽しさを知ってもらえるといいですよね。
堀之内 そうだよね。サッカーに興味を持ってもらうために、なにをするのか…が大事だから。サッカーに興味がないと試合も見に来てもらえません。そのきっかけが、サッカースクールであってもいいと思うんです。僕の家では、僕はサッカーをやっていましたけど、親は元々野球派だったんですよ。
細貝 僕の家もそうです。
堀之内 でも僕がサッカーをやるようになって、両親ともサッカーが好きになりました。今は野球はどうでも良くて、サッカーばっかり見るようになりました。(笑)子どもがやったり、親戚がやったりすると、サッカーそのものが街に増えるだろうし、プレーするサッカー人口が増えればサポーターも増えると思うんです。
― 細貝選手はどう思いますか?
細貝 なんでお客さんが入ってくれるのかは、僕にはわかりません。(笑)だけど、レッズには華がありますよね。サポーターの方たちやお客さんも含めて、ひとつの大きな塊のように思うんですよね。
堀之内 応援の迫力もすごくあるしな。
細貝 そうですよね。
堀之内 みんなが一体になれるということが大きなポイントなんでしょうね。
― お客さんたちが一体化できるだけの核になる部分をレッズは持っているんでしょうね。
堀之内 中にいる選手…という立場で言わせてもらうと、魅力のある選手が多いんです。サッカー選手としてもそうですけど、人間としても人を惹きつけるような魅力を持っている選手が多いんですよね。そういうこともひとつのポイントだと思うし、普及もそうですし、サポーター対応もそうですけど、クラブも相当力を入れています。今回のACLでもそうですけど、近くのマンションにフラッグを持っていって「飾っていただけませんか?」とお願いしてくれたりするんですよ。
細貝 おーっ、やっていましたね。
堀之内 クラブの人たちが、いつも先手先手を打ってくれるんですよね。そんな地道な努力が人気を支えているんだと思います。
細貝 そういうことをしてくれて、お客さんがたくさん入ってくれると、さらにやる気も出ますよね。
堀之内 相乗効果が狙えるというか。
― レッズはそのパワーでそろそろアジア全体を視野に入れてもいいのではないでしょうか。
堀之内 今回、ACLの前乗りで、ハートフルクラブのコーチたちが現地で普及活動をしていたんです。サッカースクールだけではなく、現地の人たちとの交流もしていたようです。A3で中国に行った時もいろいろと訪問したよね?
細貝 僕も中国の障害者の方たちの学校に行って、イベントに参加したんですよ。
― ぜひ、アジアのリーダーとして頑張ってください。ありがとうございました。