D、C、B、A、S。指導者資格っていろいろある。選手協会では毎年C級指導者資格講習会を開催しているが、C級ってなんなのだろうか。講習会で選手を指導してくれるナショナルトレセンの池内コーチに「C級ってなんなのか?」を聞いてみた。
―― 自分で判断できるように ――
C級は12歳以下のカテゴリーを対象とした、指導者を目指すための最初のライセンスです。受講者たちは「どうすれば選手に伝えることができるか」というテーマを学びます。
また、その年代は、自分で判断ができるようになることも重要です。「ああしろ、こうしろ」という指導ではなく、「今のプレーはどうだった?」と指導者が発問して答えを導き出してあげる。そんな手法も勉強していきます。
サッカー選手の場合、プレーを分析する目を持っていますから「ここが改善できれば、もっと良くなる」という部分を見抜けます。そこに伝える技術が加わっていくのですから、スピーディに良い指導者に成長することが可能です。
―― テクニックでデモンストレーションを見せる ――
C級は言ってみれば指導者の入口であって、指導というものがどんなものなのかを体験する場でもあります。
中には喋ることが苦手という選手もいますが、まずは失敗を恐れずに自分が思ったことをどんどん伝えることを勧めています。それに、もし言葉が出づらかった時があったら、選手はそのテクニックを使って、子どもたちにデモンストレーションを見せればいいんです。これは喋ることと一緒です。特に12歳以下の子どもたちにとっては、それがどんなに素晴らしいコーチングになることか。プロの選手がそのテクニックを使って、やり方を見せるんですから。
気がついたことがあればすぐに止めて「こうやったらどう?」とプレーを見せれば、子どもたちは「それか!OKOK!」とすぐに行動に移せますよね。実はこれが一番のコーチングでもあるのです。
―― 現役中に取得すべき資格 ――
講義の中では、攻撃と守備のベーシックな戦術を学びます。これは選手にとって絶対に必要な講義となります。
実際には試合中に実践していることなので、身体では理解していると思いますが、C級を取得するとそれを論理立てて考えられるようになります。サッカーの仕組みを深いところで整理できるようになるので、すぐ行動に移すことができ、自分の能力を引き出すことが自分の中で出来るようになってくるんです。
だから、C級を受けた後に活躍する選手がけっこう多いんです。例えば、C級では視野の確保について学びます。教わった選手たちは、実技講習で「いつ見たら得をするのか」を具体的に子どもたちに教えます。教えるためには、自分の頭の中で十分に理解し、整理していなければいけませんよね。それがフィールドでの自分のプレーにも繋がるのです。現役中に取得しておくとプレーの幅が広がっていくんですよ。
【取材・構成】 SHAPE 豊田 英夫 |